『しあわせの基準』彼女はどのトイレで用を足すの?
タイトル | しあわせの基準 |
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制作者 | Motoki Ohno |
制作年 | 2011年 |
時間 | 8分47秒 |
あらすじと感想 | はじめに、アナログテレビの頃、放送時間外に表示されていた例のカラフル映像。 シュールレアリスム的なイメージの宮殿で、一人の女(貴婦人)がトイレを探している。 彼女は、公衆トイレの女性マーク的な姿に身をやつし、無数のドアが一列に並ぶ便所スポットで用を足すことが出来るトイレを見つけるために、次々にトイレのドアを開けていく。 はじめのトイレでは、“考える男”が先に用を足していたので退室。 次のトイレでは、蝶や蜥蜴の様な生き物を含む、複雑かつ幻想的なイメージと出会い、いたたまれなくなったのか再び退室する。 そして、彼女は次々にトイレのドアを開け「悪魔の様な存在の不気味な笑い声が聞こえる退廃的なイメージ」「狂信的なほどの熱狂」「和的な概念」「特撮ヒーローもののイメージ」などを体験する。 結局、それらで用を足すことをしないのだが…。 制作者が日本人である場合に深いテーマが埋め込まれている場合が少なくないが、この作品もそうなのかも知れないと感じた。 成長していくにつれて、また、齢を重ねて行くにつれて、個々人は必然的に自分自身の考え方や価値観を身につけていくが、この作品は、その取捨選択を表現していると捉えることも出来るのではないだろうか。 また、それ以外の受け取り方も出来るのかもしれないと感じた。 制作者のユーモアのセンスを感じたし、また、作品のテーマについて考えさせられた。 面白いショート・アニメ作品。 |