『1884年』それはかつての未来予想図だった
タイトル | 1884年(1884) |
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制作者 | Terry Gilliam,Steam Driven Films in London,2s3D Animations in Angouleme. |
制作年 | 2010年 |
時間 | 3分3秒 |
あらすじと感想 | 1848年におけるロンドンの繁華街。 劇場の舞台の上で、タキシードの老人が何やら喋っている。 別の場所では、男が映写機を動かすために動力源としての石炭をくべている。 観客の紳士や貴婦人はみな正装。 映写機が動き出し、宇宙、月、蒸気機関で動くスチームパンクな宇宙船。 そして、飛行船に蒸気機関を加えて飛ぶ飛行機や都会の喧噪(しかし歩行者の多くはやはり正装の紳士や婦人たち)、あるいは、巨大な望遠鏡で月を観察する人々を映し出す。 そう、映写機で映し出されたのは、“1848年の人間(イギリス人)が想像した36年後(1884年)における世界”だったのだ。 今日の発想では、飛行機には液体燃料が使用されて当然であるが、1848年の時点では飛行船で浮かせて蒸気機関(石炭動力)で進むような発想となっている。 それは、1848年の時点では、第一次産業革命を経験して木炭から石炭への切り替えは済んでいたし、ワットにより蒸気機関が発明されていた一方で、石油はまだ使われていなかったからだ。 また、ライト兄弟(やホワイトヘッド)による初飛行も20世紀初頭だったため、その当時の情報ソースからイメージした未来は当然のように(私たちにとって)奇妙なものとなり、そこに見所もあるということ。 大友克洋の『スチームボーイ』を連想される、スチームパンク的な傾向のあるSF短編アニメーション。 |