『チルリ』少年少女とゾンビ、彼女の持つリンゴの力とは…
タイトル | チルリ(Chiruri) |
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制作者 | Kawasaki 他 |
制作年 | 2011年 |
時間 | 8分27秒 |
あらすじと感想 | 広漠たる荒野を少年が歩いている。 のどが渇き、水筒の水を飲むが、もう少しも残っていない。 だが、視界の先に街が見えたのだった。 さまよう無数のゾンビ(サラリーマン風)と、手にリンゴを持つ少女。 水道の蛇口をひねると黒い水が流れ出す。 少女は、ゾンビにリンゴを差し出すが…。 完成度の高い、また、幻想的な印象を受ける作品だと感じた。 少年と少女が魅力的に作画され、また、ゾンビの描写も必要を満たしている。 現代においても、深夜の街にゾンビがさまよってはいないだろうか? 家庭環境に問題があって、友人を裏切って(裏切られて)、都市部の無機質な環境(コンクリートジャングル)に心をむしばまれて、親の悪い面を受け継いで、いつからか狂信的な考え方が当たり前になって… 職場でロボットのように働き続けるうちに人間的な感情が失われていって… 子供の頃は他人の心の痛みがわかったのに、割り切れるのが大人なのだと信じて… 本当は愛という名のリンゴが欲しいのに、それは自分を救う解毒剤かもしれないのに、それさえも、もう受けつけないくらいに無自覚に精神状態が狂っていて… その様なことを考えさせられたアニメーション動画作品でした。 第23回CGアニメコンテスト入選作品。 |